2021年 ユーラシアグループの今年の10大リスク

ユーラシアグループ今年の10大リスク

恒例の10大リスクは、
 1、アメリカ第46代大統領
 2、長引く新型コロナウイルスの影響
 3、気候変動対策をめぐる競争
排出ゼロ目標とGゼロの世界
 4、米中の緊張拡大
 5、グローバルのデータ争い
 6、サイバー紛争の本格化
 7、冷え切ったトルコ
 8、原油安の打撃を受ける中東
 9、メルケルドイツ首相退任後のヨーロッパ
10, ラテンアメリカの落胆

とした。具体的には

1、アメリカ第46代大統領
2年続けてアメリカの国内政治が最大リスクとなった
  人口の半分が大統領選の結果を非合法としアメリカの分断を浮き彫りにしている
COVID19ワクチン接種がスムーズに進み、パンデミックが抑制されれば、バイデン氏が
共和党からも一定の政治的評価を得る可能性があるものの4年後の大統領選でトランプ氏が
返り咲く可能性があることも指摘しアメリカ社会の分断の拡大も警告している。
2、コロナ問題長期化
  COVID19ワクチンは、世界が21年に正常化に向かうことに寄与するが、各国がワクチン接種の
スケジュール達成に苦しみパンデミックが高水準の公的債務や離職者、信頼の喪失という
負の遺産を残すと予想
3、グリーン化
  アメリカは、炭素排出の実質ゼロ目標など気候変動のイニシアチブに再び参加しようと
しているが、より野心的な気候変動対策による企業や投資家のコストと、各国・地域の
計画協調を過大評価することによるリスクがある。
  中国、EU、イギリス、日本、韓国、カナダも国内・地域経済をより環境に優しいものにすると
  表明している  
4、米中緊張関係の波及
  米中間の経済関係は、今年これまでほど対立的ではなくなるだろうがアメリカから同盟国への
  ストレス波及や他国へのワクチン配布での競争、グリーンテクノロジーに関する競争が新たな
  問題になり緊張が再燃する可能性がある
5、データ競争
  国境を越えたデジタル情報の流れが鈍るに伴い米中間の競争が最重要になり、データに依存する 
  企業の重しになるるだろう。中国政府は恐らく国外技術への依存を減らし続け、アメリカは
  国民の個人情報を安全に保つ取り組みを進める
6、サイバーリスク
  サイバースペースにおける国家の行動に関する世界的ルール作成で政府、民間部門の両方で
  ほとんど前進が見られず、攻撃やデータ盗難の可能性が高まっている
7、トルコ
トルコは昨年、危機を回避することができたが21年に入っても脆弱なままであり、
  エルドアン大統領は4-6月に再び圧力に見舞われ、景気拡大を促そうとするかもしれないが、
  そうすることで社会的緊張をあおる恐れがある
8、産油国にとって厳しい年に
  中東、北アフリカのエネルギー生産国で抗議活動が激化し、改革が遅れる可能性がある。
  歳入の大半を石油から得るイラクは基本支出予算の確保や自国通貨安の阻止に苦しむ公算が
  大きい。
9、ドイツのメルケル首相退陣
ドイツのメルケル首相は、欧州で最も重要なリーダーであり、同首相が去れば欧州の
  リーダーシップが弱まる
10、中南米が抱える問題
  中南米諸国がパンデミック以前に直面していた政治、社会、経済問題が一段と厳しく
  リスクがある。アルゼンチンとメキシコでは議会選挙が行われ、エクアドルとペルー、チリは
  大統領選挙を控えている。ポピュリズムを訴える候補者が増え、特にエクアドルでは同国の
  国際通貨基金プログラムと経済安定を危うくする可能性がある

今年は、昨年以上に厳しい年になりそうである。

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