2018年 ユーラシアグループの今年の10大リスク

毎年恒例のユーラシアグループ10大リスクが発表された。
2017年の10大リスクの首位は、”独立したアメリカ”であった。
米国第一主義を掲げるトランプ米大統領の登場で米国が世界の諸問題解決でリーダーシップを
取らなくなり世界が不安定化するというものである。これに対して、今年の首位は中国の影響力が
強まるとみる。中国は、広域経済圏構想”一帯一路”やインフラ投資などを通じて関係国への
影響力を強めると予測。存在感の低下する米国の間隙(=真空状態)を突くように中国が台頭すると考えた。

1,中国は真空状態を愛す
   米国不在の間隙=真空状態を突いて中国が影響拡大
2,偶発的なアクシデント
   米欧などの先進国の影響力が弱くなっていることから北朝鮮やシリアなどの国際的な紛争が
起こるというリスク
3,世界的なテクノロジーの冷戦
   イノベーションの最新の波は、2018年に重要な役割を果たすインターネットと
テクノロジー分野のより広い緊張の時に発生する
4,メキシコ
NAFTA再交渉と7月の大統領選の結果により、メキシコの長期的見通しの決定的の
瞬間になる
反米を掲げる候補が当選すれば、外資導入など従来の経済重視路線が変更を迫られ、進出する
日本企業も影響がでる
5,米、イラン関係
   原子力協定が失敗すれば、世界は新たな危険な動きに突入
6,組織、機関の衰え
官僚制度に対する一般的な信頼は低下し、既存システムが信頼を失った
7,保護主義 2.0
反体制勢力の動きは、政策立案者に世界経済競争のより商業主義的アプローチへのシフトを
余儀なくさせた。つまり保護主義が再び強まる。
8,イギリス
   英国の混迷は、激しいBREXIT交渉と困難な国内政治の両方
9,南アジアの政治
南アジアのアイデンティティ政治は、経済プランナーや外国人投資家に予期せぬ課題を
引き起こして、ますます繁栄しつつあるこの地域の未来を脅かす
10,アフリカの安全保障
アフリカの不安定な周辺地域からの負の逸出効果は、大陸の成功事例をますます損なうと
書いてある。
 
今年の大きな特徴として、世界でのリーダーたる国家が無くなり、自国中心のナショナリズムの
台頭が挙げられている。それによる最大のリスクは、世界秩序すなわち、平和と地域交流への影響で
ある。既存の制度、仕組み、組織(国家ないし地域、グローバルレベルの組織)の役割や運営方法で
の変化の必要性等が爆発的に生じているにもかかわらず、それに対応しきれていないことによるもの
があらゆる方面で発生しているようである。
全人類の英知を集中して、これらの問題解決へ舵を切る転換の年にすべきである。
リスク回避もさることながら、リスクを緩やかに受け入れながら、被害を最小、かつ関係者間に
平等にとどめるための方策を協議することが大切である。問題を先送りしないで出来ることから
着実に実行することを、各国が責任を持つとともに、助け合いの仕組みも考慮すべきある。

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